フランス人の友達に、≪ c’est comme donner des perles aux cochons ≫(豚に真珠を与える)という諺を話したとき、とてもいいタイミングで使ったと思ったら、「 ≪ c’est comme donner de la confiture aux cochons ≫(豚にジャムを与える)が正しい表現だよ」と指摘されました。

実は「貴重な物をその価値を知らない人に与えて無駄にする」という意味であれば両方とも正しいのです。日本語にも「豚に真珠」と同じ意味の諺、「猫に小判」があります。なぜ同じ意味で表現の異なる諺があるのでしょうか。
フランス語の場合、その諺の由来は聖書にあります。「あなた方の真珠を豚に与えてはいけない」とイエスが使徒に教えたことがマタイによる福音書に書かれています。その後、「真珠(perle)」よりも日常生活に身近な言葉である「ジャム(confiture)」が使われるようになったのでしょう。

キリスト教に基づくフランス文化ではその変化に納得できますが、日本語の場合はどうでしょうか。日本で「豚に真珠」が知られるようになってから「猫に小判」が広まったとしたら、フランス語と同じような変化をたどったのかもしれません。

By Karasawa